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『オーシャンクリニック』

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051226_125522_M南国宮崎の象徴は青空とワシントンパームと呼ばれる背の高い亜熱帯樹木の並木だ。
太平洋に面した海岸線が長く続く。

このいかにも宮崎らしい名前をつけたのが「オーシャンクリニック」である。青い海を象徴した看板は一際目立つ。

宮崎で初めてカタカナの名前をつけた医院もここだ。
地方都市でも医師過剰時代が本格化しオーシャンクリニックが開業して以来近所に20軒を越える新規医院の開設があった。

医院長夫人で事務長の北村多賀子さんは「これからは医院経営にもマーケティング発想が必要」と話す。

宮崎市内に流入する別の幹線道路にさらにべつの看板を設置して新規患者の獲得をはかるなど、患者が向こうからやってくるのをただ待つという「待ちの姿勢」はオーシャンクリニックにはない。

市内有数の患者数を達成している裏には、ちゃんとした理由があるのだ。医者といえどもなにもしなければ不況なのである。

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『東大門』

051219_165030_M若者のメッカ ソウル東大門市場は深夜から早朝に賑わいのピークを迎える世界的にも珍しいマーケットだ。もともと東京日本橋や大阪船場のような繊維問屋街。地方の小売業が一日の商売を終えて夜間に仕入れに来られるようにと便宜をはかったことから、こんな時間帯の営業が定着したという。
いくつかある若者向けのファッションビルのひとつ「 ハローエーピーエム」は若い女性のグループやカップルでごった返していた。
東京渋谷のファッションビルを思い起こさせる大音量の音楽と喧騒が特徴だ。
商品は衣料品と小物雑貨が中心。モノを買いに来たというより、遊びに来たという若者たちで朝までにぎわっていた。

いかに賑やかし空間に人は集まるか。
カギは舞台の設定にある。

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『美空ひばり記念館』

051213_145540_M京都嵐山にある美空ひばり記念館。
冬の夕方、私一人の貸し切り状態だった。
昭和の大歌手ひばりの生い立ちから活躍の足跡をたどり、懐かしいステージを映像で見せている。最後のあの伝説の東京ドームコンサートに着たドレスや、自宅応接間の再現などひばりファンなら一度は訪ねたいという場所に違いない。
そう、「一度は」なのだ。
亡くなってすでに17年、ひばりファン自体が高齢化している。
急に往年のひばりを知らない若い世代がどっとやってくるとは考えにくいだけに、この記念館も長期的に集客対策が必要になる。
「一度行った人を、もう一度行きたいと思わせるソフト」とは何か?
石原裕次郎、北島三郎などゆかりの地にある類似の博物館も同じ悩みを抱えているはずだ。

バーチャルなデュエットだとか、浜松花博で人気を集めた睡蓮の館でクロード・モネ夫人のレシピメニュー再現のレストランなどがヒントになるはずだ。
展示物はいまさらそうは増えないだけに、知恵による集客が求められる。

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『大河内山荘』

051213_133037_M百人一首で知られる小倉山の山麓に昭和初期の名優大河内傳次郎が30年の歳月にわたりこつこつと作り上げた風光明媚な庭園。
6000坪におよぶ敷地内は四季折々のうつくしい表情を見せてはくれるが、いかんせん拝観料は一人1000円である。
お客の好みなどお構いなし抹茶つきで一律この金額だ。
見たい人にだけ見せてやる、別にプライベートな施設だからいくら貰おうがこっちの勝手ではないか。
丹下左膳にそう言われれば、こちらはただただひれ伏すのみだ。

しかし、である。
観光京都全体の視点にたてば、せっかくの観光資源をもっといかすというマーケティング発想があってもいいのではないか。
楽しませる工夫、また来たいと思わせる仕掛けもなく、ただ庭を見せて一人から抹茶をつけるから1000円よこせは、情け容赦のない丹下左膳のような気がしますが、いかがでございましょう。

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『年末はコレ!都はるみコンサート』 12月23日

毎年コンサートや芝居、ミュージカルなどをたくさん観ているが、年末らしいのはやはり都はるみコンサート、NHKホールで開かれた今年最後のコンサートは「サヨーナラサヨーナラ元気でいてね」というお決まりの熱唱で幕を閉じた。

私は彼女のコンサートを自らの講演の手本と考え毎回興味深く見入っている。
小さな体を大きく見せる迫力、おなかの底から発声するはるみ節、そしてなによりも聞いている人を元気にさせる魅力を私も見習いたいと思う。
歌と私の経済講演はジャンルは大きく異なるが、聞く人に勇気を与え、聞いてよかったと思ってもらうという意味では少しも変わらないと思う。

私もまた今年も全国で大勢の人に話を聞いてもらった。来年もまた聞きたいと思って頂けるような話をするため努力したいと思う。

都はるみの元気をもらうと私も頑張るぞという気持ちになるのである。

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『京都』 12月14日

051213_171400_M盆地京都の冬は底冷えが厳しい。
以前京都観光連盟の講演に行った時、「私たちは決して京都の冬は寒いとは言わないようにしているんです。聞かれたらそうでもありませんよ、と答えることにしております」という話を関係者から聞いた。
観光で食べている街だから閑散期は作りたくない。春から夏、秋にかけては四季の自然、食べ物、あるいは祭りと様々な呼び込み手段はあるし、なにより修学旅行という強い味方もある。しかし冬は仕掛けのマーケティングが求められる。
そこでこの冬新しく始めたのが「嵐山夢灯路」である。
12月9日から18日まで阪急嵐山駅から渡月橋、宝厳寺や野宮神社、大覚寺周辺を含む延べ5キロをおよそ2500基の照明で照らす。
雅楽やクラシックの演奏も催し、地元商店街は営業時間を延長する。
花灯路は閑散期の集客策として2003年に東山で始まり二年続けて100万人以上を集客する実績をあげており、夜間の観光客が少ない嵯峨嵐山でも開くことになった。
日がくれるとたちまち底冷えが身に染みるというのに、昼間以上の人々が繰り出してくる。

観光は自然の恵ではなく人間の知恵なのだ。

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『フーディアム』 12月10日

051210_094042_M再生ダイエーの新業態「フーディアム」が12月10日、東京・三軒茶屋にオープン。
たくさんの報道関係者が取材に訪れる中、早朝から並んだ買い物客が次々に店内に入った。ダイエーが再生のためにとった戦略は高級グルメスーパーだ。
高級料理店の味をご家庭でも味わってもらおうと、こだわりの逸品を並べた。
ここ三軒茶屋は高額所得者が多いことで知られる世田谷の中心部だ。ここにあったグループのセイフーを全面改装した。店内は高級感を演出した間接照明や什器を使い、魚売り場では体面販売、シェフ帽をかぶったスタッフがデリカテッセンの食品を顧客の要望に応じて量り売りするなどグルメスーパーにふさわしい、「ダイエーらしくない新鮮さ」をアピールしている。
だが不安もある。

三軒茶屋はたしかに繁華街とはいえ、店の立地は裏路地で近隣からの集客しか望めない。だが店裏は都営住宅で世田谷の中で必ずしも所得水準が高いとは言い難い。
もともと小さな食品スーパーだから駐車場もない。
とりあえずはこの店でノウハウを蓄積し、近い将来の多店舗展開を狙うことになりそうだ。

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『表参道駅が大変身「エチカ」誕生』 12月3日

051202_163537_M東京メトロの表参道駅が大改装を終えて、12月2日、駅と地下の二語を掛け合わせた「エチカ」という名のショッピングアーケードとなってオープンした。
改札内にはファストフードや「紀伊國屋」のミニスーパーなどが出店、さらに改札の外にはワインを飲んだり食事もできるフードコートやベーカリーも入り、店らしい店を展開する気もなかった営団地下鉄時代とは打って変わって、「商売やる気満々」をアピールしている。
民営化から一年、東京の地下鉄は将来の経営見通しは暗い。
明治通り地下に建設中の13号線の後は大きな新線の計画はない。
通勤客の減少、通学定期利用者も減る。JRなら中高年をターゲットに旅行提案も出来るが、所詮は山手線の中で勝負している東京メトロでは「旅提案」といっても現実のは難しい。
そこにこれからの生き残りを賭けた「表参道の勝負」の意味がある。

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『蓮田病院』 11月29日

051129_105620_M埼玉県蓮田市にある総合病院、蓮田病院は創立から18年、前嶋静顕理事長が一代で築いた。四回の増築でベッド数は開業時の四倍の368床へと規模を急拡大している。

地域でいちばんのベッド数と歯科までもつ診療科目の多さで支持を集めている。少しでも外来の待ち時間を減らそうと予約制とともに昨年から「オーダリングシステム」を導入した。
これは医師が診療時間短縮のため、点滴や投薬などの処置をオンラインで看護士などに指示するものだ。患者の待ち時間を少しでも減らすために業務の効率化を目指している。

蓮田病院は最新鋭の医療設備の導入にも積極的に取り組んできた。
メーカーと共同開発したMRは全国に先駆けて第一号機が設置されている。CTスキャナーや内視鏡などもいち早く最新のものを購入し、高度医療を地域に提供することこそ役割としてきた。

その目標は地元の医院との連携があって達成される。
開業医から高度医療を必要とする患者の紹介を受け、治療後は処置経過の報告をした上で患者をまた「返す」ことを徹底している。ともすると総合病院と開業医が患者を奪い合いがちだが、お互いの信頼関係により軽い病気は開業医が診療し、高度医療は蓮田病院が担うという役割分担が成り立っている。
毎月250人以上の開業医からの紹介患者がこの病院を訪れる。

院内を見学していて理髪店の回転サインを発見。
入院患者にカットからエステ、ネイルケアまで施している。入院患者とはいってもみんなが寝たきりではない。お洒落ごころも当然ある。そんな人たちの欲求に応えるサービス精神も患者の支持を集めている理由かも知れないと感じた。

前嶋理事長は「この病院の職員や家族が病気になった時、診てもらいたいと思う病院でありたいと思います」と語る。
また、同時に地域の開業医自身が病気になった時、診療にこの病院を訪ねてくることも多いという。

この病院の発展の秘密は医療技術もさることながら、職員、患者、そして地域開業医まで含めた信頼関係にあると感じた。
病院経営も企業経営も基本は変わらないのである。

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『バンコク』 11月27日

久しぶりにタイのバンコクを訪ねた。
私にとっては10年以上前に日産自動車と花王の工場の取材をして以来だ。
街はこの間大きく変わっていた。
97年のアジア危機で高層ビルは建設途中のままで工事中止に追い込まれていたが、その後の経済復調で工事は再開、次々に偉容を現した。
なによりも街の景色を変えたのは高速道路と地下鉄の整備である。
もともとバンコクは地質が軟弱なため、地下鉄建設などには不向きで、世界最悪の交通渋滞で知られていた。
しかし日本の建設会社の技術協力もあって高速道路に地下鉄、さらな高架鉄道などの整備が急速に進み都市インフラはかなり良くなった。
ただ、このところの経済発展でバンコク市民のマイカー保有率が急激に上昇しているため、道路網の整備がまだ追い付かない状態だ。
そのため渋滞自体は依然バンコクの悩みとなっている。

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