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『堀切菖蒲園』

080624_103841080624_110158東京葛飾は「菖蒲まつり」で知られている。
堀切菖蒲園に行ってきた。
室町時代、堀切村の地頭久保寺胤夫が家臣に命じて奥州郡の山安積沼から花菖蒲を取り寄せたとも、文化年間に堀切村の百姓が花菖蒲に興味をもち繁殖させたとも言われるのがこの地で菖蒲が知られるようになった起源という。
堀切の花菖蒲は江戸百景に数えられ、鈴木春信や安藤広重などの浮世絵にも描かれた。
堀切菖蒲園には200種6000株の花菖蒲が美しく咲いていた。
大きく花開いた菖蒲の優美な姿を江戸の浮世絵師も同様に見ていたかと思うと不思議な気分になる。
いまはマンションと高速道路の橋げたに取り囲まれた菖蒲園だが、意外な静寂にしばし時の流れを忘れる思いがした。

中高年を中心に平日でもかなりの人出なのに、京成電鉄の駅から堀切菖蒲園まで歩いて10分ほどの道のりに続く商店街はシャッターを下ろしたままの店が多く、開けてある店もあまり熱心に商売をしている風ではない。
ならばせめて一年でこの時期だけでも、フリーマーケットや骨董市でもやりたいという人に場所を提供するなり工夫はできないものかと、他人事ながら気になる。

せっかく来たのに昼ごはんを食べる場所もみやげものもほとんど選択肢が提供されていないから、お客たちは「仕方ないから上野にでも行こうか」と相談している。

もったいない話である。
こんな風ではいつまでたっても景気なんかよくなるわけがない。

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『競馬教室』

080620_keibaNHK文化センターの面白い講座に参加した。
「おとなの社会見学川崎競馬に行ってみよう」という企画、競馬アナウンサーを講師に初めて競馬場に来たという人を対象にしてしくみ、歴史、馬券の買い方、馬の選び方まで教えようというものだ。

夕方5時競馬場集合。
およそ20人の受講者の大半は60代以上、8割は女性だ。
生まれて初めて競馬場に来たという人がほとんど。みなカクテル光線に映える芝生や間近に見るサラブレッドに興奮している。

レースの見学、審議室やカメラ室、放送席などのバックヤードツアーをした後、競馬新聞の見方を教わり実際に馬券を買って見るまであっという間に3時間が過ぎていた。
メインレースの頃にはみんなもうベテランのような顔をして馬券を買いレースに熱中していた。

公営ギャンブルはどこもファンが頭打ちで苦しい経営にさらされている。
帯広のばんえい競馬が存続の危機に陥ったことは記憶に新しいが、新しい顧客開拓の努力を怠ればどこも帯広と変わらない状況に追い込まれる。
カルチュアセンターとのタイアップはなかなかよい企画だと思う。

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『入るまで大変、入間アウトレット』

080618_iruma国道16号沿線の工業団地に姿を現した「三井アウトレットパーク入間」は相変わらず人でごった返している。

観光バスでやってくる団体までいるのだが正直理解に苦しむ。
このアウトレットは幕張、南大沢、横浜など国道16号沿線に並ぶ三井不動産が展開するアウトレットモールの一つだが、この入間にしか出店していないアウトレット店はきわめて限られる。というよりも日本人が憧れる超一級ラグジュアリーブランドは東京近郊の16号沿線のアウトレットではまず出店できないのだ。
そうしたブランドは自ら百貨店や銀座、表参道などで定価販売しているから商圏が重なる国道16号エリアにアウトレットを出すことは得策ではない。

アメリカではアウトレットには「100マイルルール」というものがあり、160キロくらい大都市から離れた砂漠の中などにアウトレットは存在するのが常識だ。
日本で言えば、東京から100キロの御殿場や160キロの軽井沢のアウトレットにラグジュアリーブランドが比較的多くあるのはまさに同じ理由による。

三井不動産はその点をよく理解した上で、あえて都心から40キロ圏に求められている新しい「日本型アウトレット」を開発してきた。
つまりラグジュアリーブランドで集客するのではなく、週末を中心に家族やカップルで遊びに来てもらうアウトレットという名のテーマパークをつくったのだ。だからこの入間も「アウトレットパーク」と名付けている。

カジュアルブランドを中心にしたテナント構成、フードコートやレストランを充実させ休日を楽しんでもらおうというわけだ。たしかに高速道路のインターチェンジに近い立地ではあるが、同型の他のアウトレットにもある店が多いわけだからあまり遠くからわざわざ行くというコンセプトではない。
だから「ゴールデンウイークの大渋滞」とか「わざわざ観光バスでツアーを組んで」、などというのを見たり聞いたりすると、「なんか違うんじゃないの」と思ってしまう。おそらくわざわざ行ったわりには、プラダやシャネルはなかったという声も聞こえてくるはずだ。

それはアウトレット側が悪いのではなく、テレビや雑誌の情報に躍らされた消費者のアウトレットに対する認識の足りなさに起因する。

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『副都心線 開業』

080614_fukutoshinsen人口減、縮小社会の中でおそらく最後の都内地下鉄になると思われる「副都心線」が開業した。
初日は見物客で押すな押すなの大盛況、50万人が利用した。

私が初日観察した限りでは、やはり『上り志向』で西武線、東武線からの乗客が新宿や渋谷に流れ、池袋を通過していた。
4年後東横線が地下鉄に乗り入れると、今度は若者の街渋谷も通過駅となり、新宿一人勝ちとなりかねない。
今から渋谷の「オトナ化計画」を進めなければ「シブガキ隊の街」のままでは衰退の一途になる。

副都心線初日、明らかに潤っていたのは高島屋新宿店。
新駅と地下でつながって人が増えた。
1600億円も投資して一度も黒字にならず、新宿最下位に甘んじていたこの店にとって最大の失地回復のチャンスと意気込むが、実はこの店は立地以上に品揃えが悪いことが売れない原因なのに、経営陣は、売れないのは自分たちのせいではなく立地のせいと思い込んでいることに最大の不幸がある。
いくら食品フロアに人が増えても上層階で売れなければだめなことに変わりがない、と伊勢丹に馬鹿にされていることにプライドだけは高い高島屋は気がついていない。

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『ミシュラン効果で高山ヘンシーン』

080613_104635外国人観光客年間14万人近く。
大都市ではなく地方の小都市岐阜県、高山市がいま観光ブームに沸いている。
新幹線を名古屋で降り、高山線の特急「ワイドビューひだ」に乗り換えた段階で早くも異変に気がついた。私の席のとなりも前も後ろもみな外国人なのだ。
白人の観光客が大挙、飛騨高山をめざすようになったのは、なんといってもミシュランの観光認定で三ツ星をもらったことによるものだ。
古い町並みを外国人たちが行き来する。
英語だけでなく中国語、ハングル、スペイン語などたくさんの言葉が行き交う様子は、山の中のこの街が国際化の先進地であることを実感させる。

旅行案内所には各国語のガイドマップが置かれているほか、市内各所の案内表記も英語、中国語、ハングルを列記、さらに案内本には「摂氏」だけでなく「華氏」、「メートル」だけでなく「マイル」を書き加えるなど「見えないバリア」を取り除く努力をしているという。

観光開発とはなにも大金をかけて大きな施設を作ることだけではない。
ソフトを充実させればけっして便利とは言えない飛騨の山中にわざわざ外国人観光客がやってきてくれることを高山市は証明して見せている。

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