« June 2008 | トップページ | August 2008 »

『トレッサ横浜』

080714_torettsa街道筋にならぶ自動車ディーラーの店。
何台ものクルマを並べるからかなり広い土地を使っている割には、土日以外は閑散としている。あまり効率のよいビジネスとは言えないだろう。
何とか多くの人の目に触れるクルマの展示方法はないものか。

その一つの答が「トレッサ横浜」である。
トヨタ自動車が自社有休地を子会社の「トヨタオートモールクリエイト」にショッピングセンターとして開発させ、そのモールの中に各チャンネルのトヨタ系ディーラーが出店し、買い物ついでにクルマ選びもしてもらおうという発想だ。

横浜市の環状2号線をはさんで北と南の敷地71000平方メートルの広大な土地に店舗面積26000平方メートルで200店以上が出店、食品スーパーにカジュアル衣料、医療モールからアミューズメント施設と何でもあり、のタウンである。
「トヨタオートモールクリエイト」は99年に設立、2000年に岐阜市に日本初のオートモール併設ショッピングセンター「カラフルタウン」をつくり、当初の目標年間来場者500万人に対して5年で5000万人を達成した実績がある。その後大阪八尾市に「アリオ八尾」でもオートモールをつくり今回が3か所目だ。

お客にしてみれば、ショッピングセンターとはひとつの商店街なのだから、その一角に自動車ディーラーがはいっていること自体なんら違和感はない。
ただショッピングセンターの一角にずらりとトヨタ系ばかりのクルマが集中して並んでいる配置は、興味のない人にはそのエリアはまったく縁のない一角になりかねない。
一般の店と自動車販売ゾーンをうまく融合させるような工夫もしなければならないだろう。

道路を跨いで北と南の二つの館が離れているため、食品スーパーやレストランの入る南館とディーラーが入る北館とが動線が切り離されている。
このあたりの微調整は今後の課題だ。

|

『都市をデザインする』

表参道ヒルズ、地下鉄副都心線渋谷駅、六本木ミッドタウン・ミヤケイッセイ美術館など話題の建築物を次々に発表しつづけている安藤忠雄さんの講演を聴いた。
彼は、自ら大学教育を受けなかったことが、型にはまらない自由な発想の作品を造るためにはよかった、と語る。
「日本人はすぐ古いものを壊して新しいものをつくろうとするが、ヨーロッパなどでは何世紀も前のものを補修して残し、内部にまったく新しいものを作ろうという発想がある。ベニスで製作中の現代美術館は15世紀の税関の建物を再構築している。古いものを大切にし、いかに循環型の都市を創るかがこれから問われる」と安藤さんは言う。

たとえば氏の最近の話題作品である地下鉄副都心線の渋谷駅は、地下5階まで地上から空洞部分を通って外気がとりこめるようにしてある。地下鉄電車の風圧により空気が循環され冷房なしでも涼しく感じられる仕掛けになっているという。

また表参道ヒルズは街のシンボルであるケヤキ並木より建物の高さが上回らないようにするため、地下5階まで掘り下げた構造とし、屋上緑化を徹底するなど、周辺への環境付加を極力抑えようとするのが安藤流で、今日多くの支持を集めている理由でもある。

いま彼は石原慎太郎都知事の要請で2016年東京オリンピックの誘致運動の先頭に立っている。
ゴミを埋め立てた夢の島に日比谷公園の5倍にあたる広さの「海の森」を植林によって作り、爽やかな風が海からこの森をとおって都心に流れ込むようにし、その森にメインスタジアムをつくる。また64年の東京オリンピックに使った代々木のバスケットボール場などを壊さずそのまま補修して内部を新しく作り直すというあのヨーロッパの発想を取り入れるなど、環境を配慮したアイデアを出している。

世界にライバルが多い中で東京が候補地としていまのところ高い評価を受けているのは、この環境配慮と治安がいいことに理由があると安藤さんは強調した。

一般市民の募金で夢の島に巨大な森が生まれるというのは、面白いアイデアだと感じた。

|