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『大江戸活粋パレード』

081026_130143081026_131737日本橋の休日は淋しい。
オフィス街ではあるが、休日わざわざ訪れる繁華街ではない。
銀座や新宿と比べると同じ東京の中でも道ゆく人の数は極端に少なく、小売りの店でも休みにしているところも多い。
橋を挟んで三越と高島屋の2つの百貨店があるが、他の繁華街の店なら土日の来店者数が多いのが普通だが日本橋の店はむしろ平日のほうが上回るのだ。
「何とか伝統ある日本橋に活気を取り戻したい」
そう考えた地元の商業関係者たちが中心になって、これまでもあった日本橋・京橋まつりのメインイベントとして始めたのが「大江戸活粋パレード」だ。
これまでもマーチング演奏などはあったが、江戸時代全国に通じる交通の始点であった日本橋にちなみ全国から一般参加を募り、花のお江戸を檜舞台に踊ってもらおうというのが「活粋パレード」だ。

10月26日、日曜日。
時折小雨が降る天気にもかかわらず、中央通りの新日本橋駅から京橋駅までの会場には道の両側に鈴なりの観衆が集まり、その中を3000人が踊りを披露しながらパレードし、盛り上がった。おはら節、よさこいなど日頃踊り慣れている曲もかまわないが、希望する団体にはオリジナルテーマ曲「活粋リズム」を提供した。現代の音楽と和楽器のリズムが老舗と近代建築がマッチした日本橋の町に鳴り響いた。
沿道には日本橋の老舗の店が土産物売り場をつくり、また百貨店もいつもの日曜日よりも多い人出だった。

バブル崩壊でもっとも打撃を受けたのは大手町や日本橋の金融街、百貨店でいち早く撤退したのも東急日本橋店だった。
いままた世界金融危機で日本橋界隈に暗雲が垂れ込めている。
少しでも活粋をという地元の思いは切実だ。

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『ザ・プライス』

081004_135618縮小経済の中で、これまで店を増やし続けてきた小売りチェーンはリストラに必死だ。
老朽化した店を中心に閉店を急ぎ、営業効率を高めなければならない。

イオングループはダイエーやマイカル、マルエツなどを相次いで傘下に収めてきたために重複していたり、駐車場も満足にとれないような小型店も多く、60店舗の閉店を決めた。
セブン&アイも店の重複による営業効率の低下という事情は同じだ。

東京の下町、西新井。
イトーヨーカ堂の発祥の地にも近く、この地には古い店舗が多い。
西新井駅前の工場跡地再開発により大型ショッピングセンター「アリオ西新井」をオープンさせたから、そこから直線で800メートルほどの至近の地にある小型店のイトーヨーカ堂は常識的には閉店となるはずだ。
しかしあえてセブン&アイはここで新たな実験を行っている。
「ザ・プライス」という名のディスカウントストアへの転換だ。

ケースや段ボールのままの陳列、チラシも二色刷りの簡単なもので投入回数を減らす、店内装飾も簡単に、社員数はこれまでの22人を半減、パート比率は87パーセントとローコストを徹底。食品構成を80パーセントに高め、アイテム数は16000とこれまでの半分以下に絞り込んだ。

セブン&アイはかつてダイクマというディスカウンターをもっていたが撤退した経緯がある。
減価償却の終わった店を活用するディスカウント再挑戦が成功するか、生活防衛の意識が消費者に高まる中で注目される。

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『横浜トリエンナーレ』

081007_143724国内最大の現代美術の国際展「横浜トリエンナーレ2008」が横浜市のみなとみらい地区などを主会場に11月30日まで開かれている。2001年に始まり今年で3回目だ。
参加作家は25か国・地域の72人。
会場にはそろいのTシャツのボランティアが目立つが、登録はなんと1400人。10代から70代まで幅広く集まったという。
なぜなのか。
現代芸術に対する関心なのかただ暇なだけなのか、私にはよくわからない。
会場の作品には難解なものが多く、音声ガイドを利用しないと解説らしい解説もないのは、あまり親切とは言えない。
テーマは「タイムクレヴァス」(ときの裂け目)という抽象的なもので、これも理解できる人だけ理解してくれればいいという突き放した感じがする。
なぜそういうテーマを設けたのかくらい主催者の意図を説明してもバチは当たらないと思うのだが・・・。

芸術かそれとも自己満足か。
難しい問題だ。

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『イオンレイクタウン』

081005_133217081005_132253後世に戦艦大和、青函トンネルとならんで巨大な無駄と笑い者になりそうなショッピングセンターができた。
JR武蔵野線の新駅「越谷レイクタウン」駅前にできたイオンレイクタウンである。
商業施設面積22万平方メートルは東京ドーム4個分。
日本一大きな百貨店松坂屋本店がドーム2個、ららぽーと船橋が3個だから日本最大のこの商業施設の馬鹿でかさがわかる。
JR武蔵野線に「越谷レイクタウン」という新駅ができて開発できる土地があったということで、まあ目一杯大きな館をつくってしまったというわけだ。
総工費800億円、年間入場者2500万人と東京ディズニーリゾートクラスの集客をめざすという。埼玉はもちろん千葉や東京からも人を集める勘定だそうな。

私が行った10月5日はグランドオープン後最初の週末とあってこの巨大ショッピングは肝心の「ジャスコを除けば」人で埋まっていた。
テレビのワイドショーが連日日本最大と紹介するのだから20万人近い人出があったと想像できる。
だいたい近年新しい商業施設ができると最初は20万人前後の人出がある。
96年あたりからこの傾向は続いていて「タカシマヤタイムズスクエア」、「JR京都伊勢丹」、「ヴィーナスフォート」、「六本木ヒルズ」、「名古屋ツインタワー」、「丸ビル」、「三越日本橋新館」、「表参道ヒルズ」、「東京ミッドタウン」など不思議にみんな20万人前後なのだ。
これは選挙の浮動票のようにとりあえずマスコミが騒ぐので乗ってみようという「野次馬的消費者」が20万人くらい広域から集まってくるということだろう。
しかしここにあげた商業施設の中にもいま赤字や集客に悩み、テナント撤退が相次いでいるところも少なくないのは御存知のとおりである。
「イオンレイクタウン」は必要以上に大きすぎてファッション、アクセサリー、メガネなど同じような価格帯の店ばかりが並ぶ。
「KAZE」と「MORI」というひとつだけでも十分な大きさのショッピングセンターを二つ連絡通路で結んでいるが、テナントのゾーニングがはっきりしない。
私はわざと客を装ってたくさん繰り出しているイオンの社員30人にアトランダムに「2つのショッピングセンターのちがいは何か?」と尋ねたが、首を捻るばかりで誰として明確な違いや特徴をは答えられなかった。
「専門店が集まってます。やや『KAZE』が大きい店ですかね』
こんな幼稚な答しかできないのだ。
081005_135221テナントを無理に入れたため他のショッピングセンターに入る見返りに越谷にも出店しろと、イオンに迫られたとこぼしているテナント社長にも何人か出会った。販売不振に悩む自動車ディーラーを入れてゾーンを作ったりと苦肉の策が随所に感じられるが、圧倒的多くの店はすでにどこかのショッピングセンターで見たことがあるものばかりだ。
そんなショッピングセンターに地元はともかくわざわざ他の県から来るだろうか。
すでに埼玉県のこの越谷近郊はイオンやセブン&アイのショッピングセンターが乱立、イオン自身昨年「イオン与野ショッピングセンター」をつくったばかりなのだ。
アメリカにはこの規模のショッピングセンターはいくつもあるが、ミネアポリスの「モールオブアメリカ」は屋内最大の遊園地が売り物だし、夜のショーなど観光客を意識しており周囲にホテルも多い。
またカリフォルニアの「サウスコーストプラザ」は全米随一のラグジュアリーブランドを集めている。
「イオンレイクタウン」が売っているものはわざわざ遠くからでも行きたいと思わせるエンターテイメントでも高級アウトレットでもない。
081005_14365020万人入場しても食品以外はガラガラの「ジャスコ」をグループ内企業だから核テナントとしていれざるを得ないことでも分かるように、所詮は日常型ショッピングセンターなのだ。

開店の喧騒が去れば、「つるべ落とし」だろう。
マスコミが大騒ぎしたショッピングセンターほど寿命は短い。

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