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『善光寺』

081120_105916来年の春は7年に一度の長野「善光寺御開帳」だ。
長野新幹線が開業して10年。
この間1回あった2002年の御開帳は、初めて600万人を越える参拝者を集めた。
オリンピックに間に合わせて作った新幹線だが、その後は「出て行くのに便利」、つまり東京に出かける人と比べて、なかなか長野に人を呼び込むことができないでいた。
長野側に人を呼ぶ「ソフト」があるかないかで勝負は決まる。
だから善光寺の御開帳は長野にとってオリンピック以上に大切なマグネットなのだ。
新幹線というハードを作っただけでは「街おこし」は完結しない。
山形新幹線の終着駅「新庄」などは活性化の期待ははずれ、駅前に新設された施設は閑古鳥が啼いている。

楽しいソフトがあれば、人はたとえ交通不便でも出かけていくことは北海道旭川市の旭山動物園が証明している。

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『イタリアンマーケットが似合う街』

081107_144250081107_150253この秋、東京代官山に初登場したイタリアンフードマーケット「EATALY(イータリー)」に行ってきた。
2007年イタリアトリノで創業したこの店は物販とレストラン、食育を3本柱にしている。
まだ創業2年目だが、初の海外進出の地をここ日本の代官山に選んだ。
日本法人にはローソンが出資している。
店はパスタやワインを楽しめるレストランとそこから仕切られていないオープンスペースのマーケットが1階、2階が教室になっている。

本番のイタリアンパスタは見るからに美味しそう。
味わった食材をおみやげに買って帰るという人も多い。
物販は輸入したワイン、パスタ、オリーブオイルなどの他、各種調味料もふんだんにある。
またベーカリーはここで作り立てのパンを試食させながら売っている。

日本にはあまり見かけないスタイルの店だし、何よりもオシャレでセンスのよい客層の代官山にピッタリはまっている。

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『まぼろしの耶馬台国』

長崎県島原鉄道の盲目の経営者、宮崎康平氏を描く映画「まぼろしの耶馬台国」を鑑賞した。
九州にあったとされる耶馬台国と卑弥呼の墓を探して歩く夫婦の実話で、たいへん感動的な作品だ。
佐賀で九州企業塾を開く私にとって、映画の中に登場する各地はどこも馴染み深いところで、伝説とロマンに満ちあふれたこの土地には地域起こしのヒントがたくさん眠っていると実感した。

九州企業塾の会員の一人が最近「歴史」の商品化に乗り出した。
佐賀を中心に長崎や福岡を主なエリアに、歴史セミナーや探訪ツアーを事業化しようという計画だ。
最初は行政や教育関係者が顧客対象と想定していたが、それではマーケットが限られているので、地元の料理を食べたりエンターテイメント性を組み込んだプログラムをつくったところ、少しずつお客さんが付きはじめたようだ。
旅行会社やタクシー会社などと組んで、遠隔地から「歴史というソフト提案」で観光客を呼び込めないかと、私もアドバイスしている。

無から有を作り出すのはたいへんなことだが、逆にまたロマンを感じる仕事でもある。
竹中直人演じる宮崎康平をみてまさにこのロマンを感じた。

*佐賀を中心に歴史講座を展開している九州企業塾会員、吉松潤二さんの会社は、「アーカイブズ佐賀」で検索して下さい。

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『駒形どぜう』

081106_112638081106_111027浅草雷門から蔵前方向に300メートルほど。
時代劇のセットのような土蔵造りの店が目に入る。
「どぜう」とはどじょうのことだが、あえて3文字にしているのはこの店の創業者の造語で、4文字は縁起が悪いと嫌ったことによる。
「駒形どぜう」はいつのまにかブランドとして本来の「越後屋」という屋号よりも有名になった。

暖簾をくぐり中に入ると大広間だ。
板の間の座布団に客は座り、テーブルではなく一段高く板を渡した上に運ばれてくる料理を食するから、ぎっしり詰めるとかなりの収容人数だ。
客が注文するメニューの圧倒的多くはどぜう鍋だ。
炭火でぐつぐつ煮えたぎった鍋にどじょうがうじゃうじゃという感じに入っている。
これにあらかじめ板の上に用意されているきざみねぎをたっぷり載せて食べる。
あまったるい汁と、どじょうの食感は一度食べたら忘れられない独特のもので、食わず嫌いの人がイメージしていたどじょうの臭みなどは感じなかった。

観光バスで乗りつける団体などが浅草という「日本有数のテーマパーク」に立ち寄って、江戸情緒を味わうには格好の舞台装置、そしてどこでも食べられる寿司や天ぷらとは少し違うどじょう鍋というのもここで食べる価値を感じさせるのだろう。
ランチで1人あたり3000円程、夜なら1万円近い料金でも納得させるだけの存在感をアピールしている店だ。

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『ピカソ展』

国立新美術館で開かれている「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」を見た。
パリの国立ピカソ美術館改修に合わせて、世界巡回のピカソ展が企画されたが、東京では至近距離の「国立新美術館」と「サントリー美術館」を使って同時公開されている。
「青の時代」に始まりキュビズムへと以降、さらに晩年ゲルニカに至る反戦画家としての時代から91歳でなくなるまでのピカソの波乱の生涯を順序よく紹介しているが、とりわけ多彩な愛人たちがそれぞれどんな影響を彼の作品に与えてきたかがよくわかり興味深かった。

私としてはピカソのキュビズムの考え方がマーケティングのヒントとなった。
キュビズムとは対象を小さな面に分割し、あらたに再構成する絵画手法でピカソと彼の僚友ブラックらによって確立されたものだ。
これはまさに現代に求められているマーケティングに通じるものだ。
おなじ素材であってもそれをどう解釈するかが「ブランド」につながる。
事実は同じでも再構成する力、あるいはどう顧客に見せるかが問われているのだ。
価格競争でもなく、あるいは大手の資本力でもなく、切り口の鋭さと訴える力のあるなしでビジネスは成功するということだ。

「けっして他と同じではない」という「ブランド力」がピカソの天才たる由縁だろう。

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『新しい集客ソフトつくり』

関西ではいま次々に新しい商業施設が作られている。
西宮球場跡地に11月末、「阪急西宮ガーデンズ」が開業する。
また梅田地区には伊勢丹が大阪駅上に2011年完成を目指して新しいビルを積み上げ中だ。
それに対峙するように阪急百貨店が大型ビルに建て直し中、同じ大阪駅にある大丸も増床工事を進めている。
天王寺の近鉄百貨店が日本最大の百貨店にするべく新しいビルを建設すると言えば、至近のなんばにある高島屋もまた増床と、商業地図は大きく塗り変わりそうだ。

限られたパイの奪い合いなのに話題の商業施設が次々にできる。
販売している商品はそれほど違いがあるわけではないし、だいたいどうしてもなにかを買わなければと思い詰めている消費者でもないから、どうしても新しい施設、話題のところに行ってみようということになる。
従って新しい商業施設にはどっと人が繰り出す反面、既存の施設はごっそりと客を奪われるという繰り返しになる。

「阪急西宮ガーデンズ」からも近く、また梅田へも電車で15分ほどの位置にある「ららぽーと甲子園」もいかに新しい魅力を付加するか対応に追われている。
4年前、阪神甲子園球場に隣接している遊園地の跡地にできた「ららぽーと甲子園」は、イトーヨーカ堂を核テナントに大小の専門店がモールを形成、クルマでも電車でもアクセスがよいことからオープン以来安定した顧客を集めてきた。070102_163043

だが開業人気もすでに過去のものとなり、今後はライバルとの競争は厳しくなると予想されている。そこで来年春に向けていま建設しているのが「キッザニア」だ。
「キッザニア」はもともとメキシコにあったこどもたちを対象にした職業体験のテーマパークで、実際に営業している企業がそのままの企業名、ブランド名のまま子供達に仕事をしてもらうというものである。
東京の「ららぽーと豊洲」に初登場以来、数ヶ月先まで予約でいっぱいという大盛況となった。
「ららぽーと甲子園」では国内2番目の登場となるが、関西初ということもあり前評判も上々で相当広範囲からの集客が期待される。081030_160545


イトーヨーカ堂が核ということでもわかるように、開業人気の時には遠隔地からわざわざ来る人が多かったが、いまは近隣住民が主要顧客となっているだけに、より広範囲からショッピングセンターに来店を促す効果がありそうだ。
また「キッザニア」実際に遊べるのはこどもだけだが、豊洲の例をみても祖父母がカメラ持参で一緒について来る例が多く、可処分所得の高いファミリーの集客が期待できる。

ショッピングセンターとテーマパークを一体化した新しいソフト提案が成功するか注目したい。

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『成長の記録081102』

081102_130103木は育つ。
その成長の記録を残していきたいと思う。

墨田区押上に7月工事が始まった「東京スカイツリー」の建設現場だ。
8月にこのホームページに写真を掲載してから3か月がたった。

現在はまだ地中の基盤工事で地上は重機ばかりが目立つが、今後鉄骨の組み立てが始まると相当なスピードで積み上がってゆくはずだ。
その成長記録をこのホームページにも残していこうと思う。

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『学園祭花盛り』

081102_110352全国の大学などで学園祭が行われている。
私がサービス創造学部教授を務めることになった千葉商科大学の瑞穂祭では、千葉ロッテマリーンズ監督のボビー・バレンタイン氏による「スポーツビジネス」と題する講演が行われた。
この中でバレンタイン監督は千葉と名前がついた野球球団と大学には地域を通して密接な関わりがあると論じた。
「球団は地域の人々に支えられているし、また球団は地域に雇用の創出もしている。日本は先進国の中でもっとも野球が盛んで12のプロ野球球団の中のひとつが千葉にあることはすばらしい。プロ野球界は地域社会にもっと貢献したい。その一つの試みが「グリーンプロジェクト」だ。ロッテは1勝あげることに1本の木をプレゼントした。今年は73本だった。本当はもっと勝つつもりで木は用意してあったので、大学に今日はそれを寄附して大学との関係を深めたい」と話し、集まった人たちから拍手をうけた。
さらにバレンタイン氏は「ジャイアンツは他チームからエースや4番バッターや抑えピッチャーを根こそぎかっさらってくるようなやり方は球界全体のことを考えていない」とし、「日本シリーズで応援する気にはなれない」と語った。

千葉の大学とプロ野球チームとの交流はたいへん有意義だと感じた。

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