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『来年こそは跳ね上がりたい』

一年納め観音、浅草羽子板市に行ってきた。
羽子板を正月の遊びと考える人がいるとは思えないし、たくさんの人が浅草に押し寄せて家の飾りとして羽子板を買って帰りたいと思っているとも思えない。
しかし前日の冷たい雨と打って変わって暖かな日差しに恵まれたこの日、浅草寺の参道はたいへんな人出だった。
まず外国人にとって羽子板は最高の「ジャパニーズ」を感じるイベントだろう。
小さな干支のミニ羽子板ならいいみやげだろうし、写真の被写体としても格好だ。
実際に売れるかどうかはともかく、今年の話題をうまく取り込んだ変わり羽子板もうまい仕掛けだ。
石川遼選手や今年亡くなった赤塚不二夫さんの漫画のキャラクターなどをあしらった羽子板は必ずマスコミが取り上げるから、それによる集客効果は計り知れない。
そういう意味ではこれもマーケティングなのだ。
話題をいち早くつかみ、商品化するセンスが求められる。
見渡してみたが、いくら知名度が高くても「麻生太郎羽子板」はやはり見当たらなかったのも当然か。

来年こそ跳ね上がる年であって欲しい、と頼めるのは政治ではなく羽子板かもしれない。
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『舎人公園』

081216_125721081216_130538081216_132409今年春開業した「日暮里舎人ライナー」ができるまで東京23区内とはいえ開発が遅れていた東京北東部の足立区に、いま注目が集まるようになってきた。
舎人公園もその一つ。
ここが東京か、と疑うほど広々とした園内では、森林浴やバードウォッチングが楽しめテニスコートや陸上競技場、キャンプ広場まである。
ほとんど都民には知られていないのが不思議なほどすばらしい公園だ。
舎人ライナーの駅から降りると、そこにはもう広々とした空間が出迎えてくれる。
広告看板や、どこにでもある安っぽい商業施設など何もないのがいい。
くどいようだがまるで釧路湿原に降り立ったような広がりを東京で味わえるのだ。
「知られていないのが不思議なほど」と書いたが、いつまでも俗化せずいてほしいと願うのは私だけでなく、ここに集うたくさんの鳥たちも同じに違いない。

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『これはかなりやりそう 阪急西宮ガーデンズ』

この経済最悪の時期に、関東と関西で最大級のショッピングセンターが相次いでオープンした。
10月にオープンした日本最大の「イオン越谷レイクタウン」は戦艦大和、青函トンネルに並ぶ世紀の巨大失敗作とすでに私はこのホームページで評したが、逆に兵庫県西宮市にできた「阪急西宮ガーデンズ」は近年できたショッピングセンターの中でもかなり上位に位置する成功作品と評価する。

売り場面積10万平方メートル、西日本最大のこのショッピングセンターは、かつてプロ野球が行われていた西宮球場の跡地を再開発したものだ。
阪急電車の特急で梅田から15分あまり、「西宮北口駅」からデッキ直結という便利のよさだ。
近年のショッピングセンターはあまりにも郊外に立地するアメリカ型ショッピングセンターよりも、公共交通機関も利用しやすい日本型が主流になりつつある。もちろんその背景には工場の移転をはじめとするリストラ用地が都心に大量供給されているという事情がある。
ただ「イオン越谷レイクタウン」は新駅の前と言ってもまだまだ住宅開発がほとんど進んでいないため、日本最大のショッピングセンターを支える足元商圏があまりにも脆弱という弱点がある。
その点「阪急西宮ガーデンズ」は関西地区随一の高級住宅街が沿線に拡がっており、消費者の質が高い強味がある。
もうひとつ「イオン越谷レイクタウン」は駅前に入口があるとはいうものの、そこはあくまでもショッピングセンターの出発口で、中に入るといちばん奥までモール中央を寄り道せず直進するだけで1キロもある。これでは3階建てのショッピングセンターを一通り見ることは不可能だ。081208_105559
その点、「阪急西宮ガーデンズ」はインサークルモールといって、中央のモールが周回しており、歩いているうちにまた元の位置にもどってくる。したがって店の見落としがないという動線配置のよさが売り物だ。
さらに「イオン越谷レイクタウン」の2つの核がジャスコとマルエツであることも首を捻る。
日常使いの2つのスーパーをめざして遠距離から果たして人がくるだろうか。
地元の新興住宅街の人たちが喜ぶだけなら、東京ドーム4個分の商業施設は不要だ。
1年の入場者予想2500万人というのだからこの想定は杜撰もここに極まれりだろう。
対する「阪急西宮ガーデンズ」は、阪急百貨店とスーパーイズミヤが2核を占める。
阪急百貨店は呉服や高級ブランドを捨ててカジュアル中心で見やすく買いやすい。また食品はもうひとつの核、イズミヤが頑張っている。ベーカリーやテイクアウト惣菜は厨房が臨場感あふれ、 生鮮3品を中心に品揃えもいい。さらにシネコンのほかNHK文化センターなども入っている。全体として高級品を売る梅田とすみわけつつも、感度のよいファッションセンスあふれる消費者に衣食住と文化を提供しようというメッセージが感じられた。

高齢化社会は巨大なショッピングセンターだから支持されるという時代ではない。
いかに生活の中で溶け込みライフスタイルを提案できるかが勝負だと思う。
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