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『阪神難波線』

090326_133215大阪に新しい鉄道ルートが完成した。
姫路、神戸方向から走ってきた阪神電車が、新線区間を通って難波に入り、近鉄線に乗り入れて一気に奈良に至る。
関西地区の人の流れを大きく変える可能性を秘めている。

早速試乗してみた。
阪神の尼崎駅上りホームからホーム向かい合わせに従来の梅田行きの電車と、奈良方面近鉄線に乗り入れる電車が並んで停まっている。
尼崎を出たあとJR大阪環状線に接続する西九条駅までは地上を走る。
この駅はユニバーサルスタジオ行きも出る主要駅になった。
環状線内は地下に入り、あっという間に難波だ。
神戸方面から来た人はJRでも阪急でも阪神でも、これまでは一度梅田で乗り換えなければ繁華街難波に来られなかったのに、この新線を使えば梅田を経由することなく難波にたどりつける。
しかもこの阪神電車の到着するホーム自体が近鉄の駅で、直通で奈良方面に行かれるのだから、関西に住む人にとっては信じられないくらいの利便性を感じるはずだ。
このことは地域ごとの顧客争奪戦を一層激しいものにするだろう。
どの地域が観光やレジャー、ショッピングの主導権を握るか地域間競争はまったなしである。

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『おくりびと』

アカデミー賞受賞作品「おくりびと」を佐賀のシネコンで見た。
受賞後ブームとなり、しかも日曜日の午後とあって佐賀のシネコンは20人を越える、私が経験した中でもっとも混雑していた。
この東北の一地方都市を舞台にした地味な素材の映画が、国際的な評価を得たことがなにより嬉しく思った。
何十億円という制作費をかけたり、コンピューターグラフィックに頼るスペクタクルはハリウッドにやらせればいい。
日本人の感性を大切にし、美しい自然と情感こまやかな描写が日本の文化であることを世界に知らしめたことが日本人のひとりとして誇らしい。
世界から日本を訪れる人が増加し、日本固有の自然や文化を理解する人が増えていくことで、これまで日本人にしか分からないだろうと思われていた文化的価値観が広まってゆくことはすばらしい。
工業技術とは違う新しい輸出商品は日本の文化であると私たちは認識すべきだと考える。

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『セブンホームセンター』

090303_121538090303_122459東京の下町、金町。
イトーヨーカ堂の発祥地、北千住にも近く駐車場も小さな古いタイプのヨーカ堂の店が多い地域だ。
常磐線金町駅から歩いて3分ほどのイトーヨーカ堂金町店も、そんな店だ。
隣接した亀有に「アリオ亀有」というショッピングセンターをイトーヨーカ堂自らが作ったため、どうしても商圏が重なってしまう。
いまイトーヨーカ堂ではこんな店をつぶすのではなくどうしたら再生できるかという実験を行っている。
まず似たような「アリオ西新井」に近い老朽店舗を「ザ・プライス」というディスカウントストアにしたところ、折からの不況深刻化による低価格商品への志向シフトにうまくのって成功を収めた。
そしてここ金町店では2階の売り場を思い切ってホームセンターにした。
衣料品は下着など最低限にとどめ、およそ5000平方メートルに5万アイテムの商品を並べた。木工用品、ペイント関連、作業着に軍手から家電製品、ペット関連から洗剤など日用雑貨まで什器いっぱいに整然と並べられた商品は見やすく選びやすい。
衣料品中心だった旧来店舗よりも客数も増えている。
近隣の商店街から金物店が消えてしまったため、こうした商品群の品揃えは駅周辺の店では不足していた。
社員を減らしパートを増やす一方、サービス低下を防ぐため売り場に14か所の呼び出し鈴を設置、社員がすぐに対応できるしくみもつくった。

飽和社会のように見えて、まだまだこうしたすき間を埋めるビジネスの余地はあると思う。

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『どげんかせんといかん』

20年前NHK時代に勤務していた宮崎に行ってきた。
講演などで近年も何回か訪ねてはいたが、クルマを運転して町の隅々まで巡ったのは久しぶりのことだ。
まず観光地と繁華街の衰退ぶりにはいまさらながらア然とした。
かつて新婚旅行のメッカだった堀切峠は、宮崎交通が観光の目玉としていたサボテン園が閉鎖され、わずかに売店とレストランが道の駅として細々と営業しているのみだった。
宮崎観光の代名詞だった青島も参道に並んでいた土産物店はシャッターを下ろし、ホテルは閉鎖したまま廃墟をさらしている。
人通りもほとんどなく、営業している店も販売員は力無く座ったままだ。
死んだ町に観光客は来ない。
再生のための名案もなく、ただ成り行きに任せている無力感ばかりが漂っている。
青島も堀切峠も自然の景観には大きな変化がないのに、それを取り巻く観光産業が脱皮できない。観光客が来なくなったのは景気のせいで、自分たちの努力が足りないからだという発想を持たなかった積年のツケが町を死に追いやったと私は考える。
青島や堀切峠の衰退は金融危機のせいでも政府の景気対策が足りないせいでもない。

宮崎市中心部の衰退も深刻だ。
小売り店の廃業もだがオフィスビルも空き室だらけ、真っ白の看板ばかりが目立つ。
県庁所在地の人口はそれほど減ったわけではないのに。中心部が衰退しているのは、ネットの普及や交通網の整備に伴う支店経済の統合現象の結果もあるのではないか。
つまりなにも各県に出先がなくても南九州に一カ所拠点があれば困らないとなれば、鹿児島にあれば宮崎には必要な時だけいけばいい、ということになる。
宮崎の場合、もともと地元の産業が少ないから観光客と支店経済に頼っていた分、落ち込みも激しいのだと考えられる。
ただ郊外に数年前開業したイオンショッピングセンターはちゃんと人が入っていた。
地方のクルマ社会に合ったアクセスのよさと駐車場完備、ワンストップショッピングの利便性を提供すれば、イオンが期待していた程度の売上かはともかく、一定の集客を実現していることは事実なのだ。

いま宮崎は東国原知事を先頭にプロ野球やサッカーのキャンプのメッカとするスポーツインフラの整備と、マンゴーなど地域特産品の販売に力を入れて他の県にはない魅力をアピールしている。
もちろんそれはたいへん結構なことだが、温暖で物価が安いことを武器に中高年移住にも力を入れるべきだと思う。

宮崎で老後を過ごせばこんなに楽しいという「楽しさ提案」が大切だ。
知事の言葉ではないが「どげんかせんといかん」とつくづく感じる旅だった。

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『ビルの5階くらいの高さです』

090303_1300082011年に610メートルになる東京スカイツリー。
昨年7月の着工以来地下の基盤工事をしていたが、今年になり地上の建設工事が本格化している。
現在、やぐらの高さはビルの5階程度20メートルほど。
これが年末には現在の東京タワーとほぼ並ぶ300メートル近くになるから、全国の関心を集めることは間違いない。
地デジ放送のために作るのだから、放送局も率先してタワー成長の記録を放送するはずで、一大景気浮揚効果があると私は予想している。

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