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『60歳のラブレター』

映画「60歳のラブレター」を観た。
私の関心はもちろん団塊の世代マーケティングである。
観客は平日の昼間だけにまさに「60歳のラブレター世代」だ。
主役の中村雅俊も団塊の世代、効果的にイッセー尾形が歌うのが「ミッシェル」というあたり、この世代にはピッタリの舞台設定だ。
定年を迎える主人公、さまざまな成人病を意識する毎日、これ以後の世代と違い専業主婦で子育てを過ごしてきた人が多く、夫や家族中心だった日常に疑問をもつ女性。
特別な世界ではなく、どこにでもありそうな世界がコミカルにしかもテンポよく描かれ退屈しないストーリーだ。
定年世代とはいうものの、まだまだ人生これからだというエネルギーこそ団塊の世代の持ち味だと思う。
ひとつ前の世代と比べると肉体的にも精神的にも若々しさを感じるからのがこの60歳だ。
この世代が時間とそこそこの金を持って低迷ニッポンに喝を入れて欲しいと思う。

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『阿修羅展』

090520_135343東京国立博物館で開かれている「興福寺創建1300年記念 阿修羅展」に行ってきた。
とにかくすごい行列だとは聞いていた。
平日の夕方といういちばん入場者が少なそうな時間帯を狙って行ったのだが、それでも入口に掲げられたプラカードには1時間待ちと表示されていた。
会場には再建される興福寺中金堂に安置される諸像が展示されている。
日本でもっとも有名な仏像のひとつである阿修羅像をはじめ、阿修羅とともに一具像としてつくられた八部衆像と十大弟子像の興福寺に残存する脱活乾漆像14体すべてが一堂にそろっている。
これら仏像は興福寺では通常壁面のガラスケースのなかで展示されているが、今回は露出展示し、とくに阿修羅像は360度時計回りに観客が回りながら見学できるように工夫したことが大きな人気を集めている。
東京国立博物館は近年人気企画のヒットをとばしている。
素材のよさもさることながら、見せる工夫、企画の斬新さなど博物館の努力が集客に結びついている。
薬師寺の日光、月光菩薩展や日本美術の巨匠対決、若沖展など日本美術に題材をとった人気企画が多いのが特徴だ。

ビジネス感覚を博物館で学ぶ時代になったようだ。

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『非凡なタレント』

三越本店で5月24日(日)まで開かれている「芸能人・文化人の多才な美術展」に行ってきた。
綾小路きみまろ、八代亜紀、和泉雅子、市川團十郎など、芸能人や文化人の絵画や書、陶芸などのアート作品200点あまりが展示されている。
けっして道楽、趣味というレベルではなく、こちらを本職としても成り立っていたのではという作品が多い。
芸能人という人たちのもつ表現力は、本職以外の部分でも存分に発揮されるものなのだと常々感じていた。
たまたま役者や歌手という仕事をとおして表現している人間性は、絵を描いても、あるいは書をしたためてもまた表現することができる。
それが才能なのかと驚く。
タレントとはまさに才能なり。
画家八代亜紀さんが描いた歌手八代亜紀。
自分というモデルを描ききるエネルギーの激しさにただ圧倒された。

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『三社祭』

090517_071843江戸に夏の訪れを告げる浅草の三社祭に行ってきた。
浅草寺に隣接する浅草神社は、観音様を見つけ、寺を造り帰依した檜前浜成・竹成兄弟と土師中知の三人を祀る。
明治の仏神分離令によって浅草寺と分けられるまでは、神前で浅草寺の僧侶が読経を行っていたという。
その3人を祀るお祭りが、「三社祭」だ。
3日間で150万を超す人々を集める。
三社祭のクライマックスは最終日の宮出しと宮入りだ。
一之宮、二之宮、三之宮の三基の宮神輿が神社を出発し、町内へと繰り出して行く。
町神輿百余基も町を練り歩き、浅草中が神輿とはっぴと祭囃子に染まった。
宮神輿が神社に戻ってくる日没の宮入りは、名残惜しくも最後の興奮が高まる瞬間。
神輿に飛び乗る人が続出、逮捕者も出る混乱から中止されていた宮出しが今年は復活した。
早朝6時厳しい警戒の下、境内への入場を大幅に制限しての宮出しが行われた。
祭の最終日は昼には雨も上がり、浅草界隈は祭気分で大いに盛り上がった。

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『鎌倉時代の庭園』

日本最古の図書館金沢文庫に隣接する「称名寺」は鎌倉時代を代表する浄土庭園だ。
横浜市教育委員会によって行われた発掘調査によって元享3年(1323)の「称名寺絵図」に描かれた苑池や伽藍が実在したことが証明された。
横浜市ではその成果を踏まえて庭園の整備を進め、昭和62年に反橋・平橋が復元され、整備事業が完成した。
称名寺庭園は金沢文庫に保管する称名寺伝来の古文書や文化財によって造成の過程があとづけられることから日本の庭園史の中でも貴重な存在として注目され、登録推進中の世界遺産「武家の古都・鎌倉」の構成要素ともなっている。

昨年の橋の修復が行われ美しい境内は、連休をのんびり過ごすにはもってこいの場所だった。
5月3日の夜には薪能も催された。
住宅地が周囲に迫り、過去には開発を巡り地元から反対運動が起こったこともあった。
一度失えば二度と取り返すことができないいにしえの財産である。

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『招き猫で観光客を招く街』

Dvc00412Dvc00421愛知県常滑市に行ってきた。
名古屋から名鉄特急で30分あまり、セントレア中部国際空港があるところだ。
ここは常滑焼で知られる焼き物の町。
いま常滑は「招き猫でまちおこし作戦」を展開している。
きっかけは3年前。
常滑系招き猫をモチーフにした土産物開発事業として、常滑商工会議所で「TOKONAME土産招き猫プロジェクト」が実施された。
常滑で戦後から現在に至るまで永年親しみ愛されてきた二頭身にデフォルメされたかわいらしい三毛猫の常滑系招き猫をモチーフに、手作り常滑焼の招き猫、Tシャツ、手ぬぐい、携帯ストラップ、シール、食品など常滑の土産物商品群として市内各所で販売されるようになった。
街道の小高い丘の上に作られた巨大な猫は1キロほど離れた駅のホームに立つ人が気がつく高さで街を睥睨している。

この街のシンボル土管を並べた焼き物の町並みを歩いて行くと招き猫があちこちにいる。
ついに昨年招き猫神社までできてしまった。
道路際には作家たちの奇抜な招き猫作品がズラリとならびみちゆく人を驚かす。
今後土産物の開発にも力を入れていく方針で、招き猫の手招きで観光客を呼び込もうと街では意気込んでいる。

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『パティオ大門』

Dvc00430Dvc00431長野の善光寺に通じる参道は千年の伝統をもつ門前町だ。
この一角に古い蔵の残る一角があり、これを再生させる事業が平成15年に始まった。
明治から問屋街として栄え、日用雑貨や衣料品の問屋が軒を連ねていたおよそ1000坪の再開発事業は「パティオ大門蔵楽庭(くらにわ)」と名付けられ、TMO事業として平成17年に完成した。

広場を囲うように並ぶ十数個の蔵は飲食店や土産物店が入り、善光寺参りの途中に一休みする人たちに格好の休息の場を提供している。
門前町の町並みと合わせた統一感もあり、また観光客だけでなく一般市民が利用するレストランなども入居し、お洒落な空間になっている。

善光寺参りの途中に是非立ち寄りたいスポットである。Dvc00434_2


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『開国博Y150』

Dvc00448連休に合わせて開幕した今年首都圏最大のイベント、「開国博Y150」に行ってきた。
ペリー来航から日米和親条約締結という幕末の激動から国際港湾都市、横浜が誕生して150年、これを記念した博覧会だが、入場料2400円を払った満足感は全く感じられなかった。
イベントとしてなにをやりたいのかが明確ではない。
横浜でいま行う必然性を感じない。
歴史を映像とパネルでたどるコーナーなどは通常の博物館でやればいい内容だ。
巨大な機械仕掛けのクモが売り物というが、それと開港150年になんの繋がりがあるのか。
中田市長がゴーン社長に直談判して本社移転が決まった日産のパビリオンも内容がない。
スーパーハイビジョンの映像をお楽しみくださいというが、もはやそんな時代じゃないだろう。どんな内容の映像かが問題なのにただ自然や祭の映像を並べるセンスを疑う。
このイベントは大失敗となるだろう。
中田市長の責任が厳しく問われる。

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