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『ジャングルクルーズ』

090620_195343横浜赤れんが倉庫近くの波止場を週末日没を待って出港する30人乗りのクルーザー船。
満席の乗船客のほとんどがカップルだった。
「ジャングルクルーズ」と名付けられたこの2時間の航海、昨年から始まりいまやなかなか予約がとれない人気クルーズになっている。

京浜工業地帯の工場や発電所などを夜の海から見学するというアイデアが受けた。
昼間だったらあまり魅力的に感じられないかもしれないが、夕闇の中ライトアップされたコンビナートやオレンジの炎を吹く精油所の煙突などは幻想的な雰囲気で、恋人たちにとっては秘密のロマンチックな逢瀬の場に感じられる。
コンテナの荷下ろしに使うガントリークレーンはその形状がキリンのように見えるが、まさに「ジャングルクルーズ」というネーミングにピッタリとマッチしている。

あらたに観光資源を作ったわけではない。
まさにアイデアで無から有を作ったソフトの勝利だ。
産業観光がテーマになっているが多くのヒントを与えてくれるアイデアだ。

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『空洞化の街』

北海道旭川市。
札幌まで特急で80分。
札幌駅周辺の商業施設が充実するにつれて「上り志向」が強まり、また旭川市郊外にもショッピングセンターができ、駅を中心にした市街地の集客力が衰えだした。
そしてついに丸井今井百貨店が閉店を決めた。
丸井今井の場合、会社自体が民事再生となり東京の伊勢丹が支援することになって、不採算店の整理は急を要するという事情があった。
写真奥の丸井今井に対して手前に位置し、相並ぶ形で立地している西武百貨店も存続が危ぶまれていた。090612_093218
こちらは札幌駅前にあった五番館西武を先に整理することになり旭川店はかろうじて閉店を免れたが、今後も不振が続くようだといつかまた存続が議論される場面が来ることも予想される。
旭川市に限らず北海道の各都市は札幌への商業流出が著しい。
この傾向は九州の福岡への集中、東北の仙台への集中、さらに四国・中国においては高速道路や橋の整備により京阪神への集中というように全国で見られる現象である。

余程のオリジナリティを示さなければ地方はもっていかれるだけになってしまう。
便利になってもただ「出て行くのに便利」になるだけでは意味がない。
「上り志向」に対して「いかに下らせるか」―――。
これが大きなテーマとなるが、その点旭川市には全国からここを目指して人が集まる旭山動物園という格好のマーケティング素材がある。
他のビジネスにとっても研究した方がよいテーマだ。

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